引越しクリーニングの違い

引越しクリーニングって?
「立つ鳥あとを濁さず」
引越しをする時、それまでお世話になった部屋をキレイにするのは、人として必要なことです。
そのような道義的観点のみならず、現実的には、部屋をキレイにするかしないかで、敷金の返ってくる金額にも大きく影響をします。
荷造り・搬出をし、掃除が終わったら、大家さんか管理会社か、或いはハウスクリーニング会社の担当者が部屋の清掃状況をチェックに来ます。
相手がプロですから、目立たない場所であっても厳しくチェックされます。生半可な掃除では見破られてしまいますから、念を入れた掃除が必要になります。
原状回復の必要性
何年も住んでいれば、どれだけこまめに掃除をしていても、劣化したように見えてしまう場所が出てきてしまいます。
例えば、床や壁紙が日焼けして変色してしまうのは、ある意味仕方のないことだと言えます。このようなケースは「経年変化」とか「通常損耗」と呼ばれ、部屋の借主は引越しの際に原状回復をしなくてもよいことになっています。
以下、一般的に貸主が負担すべきケース(=原状回復の必要がない)と、借主が負担すべきケースを紹介しますので、掃除の際の参考にしてみてください。
【東京都都市整備局による「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」より一部抜粋】
貸主負担(=原状回復の必要がない)のケース
- 日焼けによって変色した壁紙や床
- 壁紙にある画びょうやピンなどによる小さな穴
- 家具による床のへこみや設置した跡
- 冷蔵庫後ろ側の壁面の黒ずみ(電気ヤケ)
- トイレ・台所の消毒
- フローリングのワックス掛け
- 網戸の張り替え
借主負担のケース
- 風呂、トイレ、洗面台の水アカ、カビなどの汚れ
- 台所の油汚れ
- ガスコンロ置場、換気扇の油汚れ
- 借主の不注意で雨が吹き込んだことなどによる床の色落ち
- ペットによる柱などのキズやニオイ
- タバコのヤニによる壁紙の変色
- 引越し作業等で生じたひっかき傷
引越の際、重点的にキレイにしなければならない場所
借主の責任で原状回復しなければいけないケースのうち、引越しの時の掃除で解決できそうなのは、油汚れのついた換気扇・ガスコンロ周りと、風呂、トイレ、洗面台、台所などの水回りになります。
それ以外の場所もひと通り掃除する必要がありますが、重点的にキレイにしなければならないのは、換気扇・コンロ周りと水回りです。
換気扇・コンロ周りの掃除
換気扇・コンロ周りは、大掃除でもてこずる場所です。
引越しクリーニングと普段の大掃除との最大の違いは「誰が評価するか?」ということです。
普段の大掃除の場合は、自分たち家族が満足できればよい訳ですから、目につきにくい場所は「まっ、いいか」となってしまいがちです。
引越しクリーニングの場合は、プロ目線で評価されますから、見えない場所についても徹底的にチェックされます。
換気扇やコンロの場合、分解できるものは全て分解して、徹底的にキレイにするというのが基本になります。
換気扇の掃除
レンジフードカバーなど、取り外しができないものについては、洗浄剤を染み込ませたキッチンペーパーによる「湿布」が効果的です。
一般的な住居用洗剤では油汚れが落ちませんから、必ず油汚れに効く洗剤を選ぶようにしてください。
10分程度で汚れが浮いてきます。湿布をはがして、水で固くしぼった布で拭き取れば完了です。
ファンなどの取り外しができる場所については、「浸け置き」が効果的です。
洗い桶などを使うよりもビニール袋を使ったほうが、水や洗剤を使う量が少なく、場所も取らないので、便利だと思います。
分解した時のネジ等のパーツを浸け置くのを忘れないようにしてください。
換気扇掃除の詳しいやり方についてはこちらを参考にしてください。
コンロ周りの掃除
コンロ周りの汚れは油汚れと焦げ付き汚れが中心になります。
五徳や受け皿などの分解できるパーツについては、換気扇同様、「浸け置き」が効果的です。
分解できない場所も、換気扇同様で「湿布」が有効です。
焦げ付きなど、洗剤だけでは難しい場合は、スクレイパー(ヘラ)や割りばしなどを使うと良いでしょう。
但し、道具を使う場合や、クレンザーを使う場合は、金属部分の表面を傷つけたり、塗装を剥いでしまう可能性もあるので、十分に気を付けてください。
コンロ周りの掃除の仕方についてはこちらで詳しく説明しています。
水回りの掃除
水回りについても、普段の大掃除とは違って引越しクリーニングならではの注意点が有ります。
換気扇と同様、目につきにくい場所=排水口の中の掃除がとても重要です。
水回りのチェックをする時に、プロはしつこいくらいにニオイを嗅ぎますから、そのニオイセンサーに引っかからないように注意深く掃除をする必要があります。
ニオイの元は雑菌であり、雑菌が繁殖するのは汚れなどが原因になっています。汚れを徹底的に落とすことによってニオイを断ち、プロのセンサーに引っかからないよう、キレイに掃除しましょう。
排水口の掃除のコツについてはこちらを参考にしてください。
自分の手に負えないと思ったらプロの業者にお願いしましょう
そうは言っても「自分でやるのは面倒臭い」「忙しいから掃除までやっている余裕はない」という方は、プロのハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
もちろんお金はかかりますが、ノウハウや専用の道具・洗剤を持っていますから、短時間で効果的に掃除してくれます。
長年溜まったヒドイ汚れやニオイでも、あっという間にキレイにしてくれます。
家中まるごとキレイにしてくれるプランなら、ちょっとお金はかかりますが、日時さえ決めてしまえば自分では何もする必要もありません。
そこまで予算に余裕がないのであれば、換気扇・コンロ周りや水回りなど、汚れがヒドく自分でやるのは大変な場所に限定してお願いするのもよいと思います。
ほとんどの業者は無料で見積もりをしてくれますから、2~3社から見積もりをとれば、納得のいく業者を選ぶことができると思います。
また、見積の際には、具体的なサービス内容についての説明をしっかり受けるようにしてください。
金額だけで選んでしまうと、「ここは見積もりに含まれていません」ということにもなりかねませんから、サービス内容と金額をきっちり書面にしてもらってから、依頼すると間違いがないと思います。
プロの掃除サービスは日進月歩ですから、一度依頼してみるとビックリすると思いますよ。